2025年7月5日(土)に行われた国語研のオープンハウス「ニホンゴ探検2025」では、約800名ものご来場者をお迎えすることができました。猛暑の中にもかかわらずご参加いただいたみなさまに、心よりお礼申し上げます。会場のスナップ写真とみなさまからいただいたお声を紹介しながら、当日の様子をレポートしてまいります。

第3回鶴岡調査(1991年)の資料を示しながら、参加者への説明を行う大西拓一郎先生(左)と福永由佳先生(中央)

研究資料室にて、国語研で作成された言語地図をご覧いただいています。右奥に見えるのはゴム印です。地図に掲載される「ことばの形」を、記号化して表現するために用いられました。
ことばのミニ講義「多摩のことば・立川のことば」

親しみやすく、わかりやすい語り口の三井はるみ先生
研究者トーク「雑誌コラムに見る昭和20・30年代の言語生活」

当時の流行語を基に、ことばの移り変わりを語る新野直哉先生

クイズラリーの受付はこちら。参加者はここで問題用紙を受け取り、チェックポイントを回りながら問題を解いていきます。

岡田純子先生「【自分】を伝える文末表現」
終助詞を中心に、日本語の文末表現のはたらきについて紹介しました。どんな時に、どんな人が、どんな文末表現を使うでしょうか?

ニラモン・ラウィナン先生「気は心!?」
「気」と「心」、よく似たことばですが、意味や使われ方に違いはあるでしょうか? 日本語以外の様々な表現も紹介しながら一緒に考えてみました。

磯野真之介先生「[ことばを][くみたてる]」
いくつもの語をまとめると句になり、いくつもの句をまとめることで文になります。一つの文に複数のまとめ方があるとき、意味も複数生じること(構造的曖昧性)をクイズのテーマにしました。

居關友里子先生「おしゃべりはことばのキャッチボール」
私たちはことば(行為)を投げる、受け取る、この繰り返しによって会話というものをつくっています。会話のしくみを一緒に考えてみました。

トレバー・スレビン先生「島言葉教室(しまむにきょうしつ)」
鹿児島県沖永良部島のことば(しまむに)のプチ教室です。しまむにであいさつと自己紹介にチャレンジしてもらいました。

鑓水兼貴先生 「コロナ(新型コロナウイルス感染症)に関わる言葉の人々の受け入れ」
コロナ禍、不要不急、クラスター等々……。当時のコロナ関連用語に対して人々がどう思っているか、調査結果を示しつつ紹介しました。

一瞬の勝負! 参加者による「国語辞典かるた」の熱戦が繰り広げられました。このかるたの取りふだには辞書の見出しの【言葉】と絵が、読みふだには国語辞典の語釈(【意味】の説明)が書かれています。

国語辞典かるた作成コーナーでは、国語辞典から答えとなる【言葉】を書き写し、【意味】がわかるイラストを描いて仕上げます。参加者による力作をご覧ください。

辞書作りに挑戦!コーナーの今年のお題は「ひやりと」です。どんな意味かな? 展示してある国語辞典の語釈を読み比べて、自分なりに書いてみましょう。

大人もこどもも、国語辞典を使ったしりとりに夢中。

見て!しりとりが出来上がったよ!

アナログゲーム制作のピグフォン様による特別企画「ことばあそびゲーム(クロスワイルド)体験コーナー」。参加したメンバーは初対面同士にもかかわらず、みんなで協力しあって大変盛り上がりました。
恒例の「みんなで投票企画」では、「ショックを受けた時のことば」をテーマにことばの使用状況を調査しました。来場者のみなさまに年代別の色シールを貼っていただくことで、世代ごとのことばの違いが見えてくる面白い展示です。気になる結果は、下の画像をクリックしてご覧ください!(PDFが開きます。)
三線の演奏にあわせて、琉球のことばで歌ったり踊ったり――「琉球ことばの旅」は耳・口・手・足をフルに使って、琉球のことばと文化の魅力をみんなで楽しむコーナーになりました。

消滅危機にある琉球諸語を次世代に伝えるために作られた絵本の紹介。

お気に入りのオノマトペや自分たちしか使わないオノマトペを貼ってみよう!

点字のルールを説明する落合哉人先生。参加者は点字タイプライターを使って、初めての点字入力にチャレンジしていました。点字の世界を身近に感じられる貴重な体験となりました。

点字タイプライター体験には非常に多くの希望者が……。会場に置かれた2台の点字タイプライターもフル稼働していました。

難しいと思われがちなコーパスですが、今年は思わぬ人気コーナーに! 実際に体験してみるとその面白さが伝わるようで、年代問わず多くの方から「面白かった」「今後も使ってみたい」といった声が寄せられました。

小磯花絵先生の丁寧な説明による「少納言」の操作体験。

国語研のコーパスとは? どなたも熱心に説明を聞いてくださいました。

立川の歴史や文化、自然について楽しく学べる「立川市歴史民俗資料館(れきみん)」から、今年も出張展示と体験学習がやって来ました。普段はなかなか体験できない古文書作成は、こどもたちに大人気でした。

「立川氏文書」の展示が並びました。文書の花押はスタンプに展開されており、自作の古文書に押すことができました。

れきみんならではの学習体験です。

当サイトで公開している「ことばの疑問」を展示クイズに仕立てたコーナー。親子で会話しながら、またはひとり熟考しながら、多くの方に見ていただきました。

展示されている日本映画のフライヤーには、作品のタイトルやキャスト、あらすじが日本語と英語で表記されています。パネルだけでなく、フライヤー実物の展示もありました。

ロビーの読書コーナーでひと休み。全国の方言絵本の世界に魅了された方も。左手奥は所員の書籍紹介コーナーです。

熱心に説明を聞く相談者に、回答する所員も熱が入ります。

図書室・資料室ツアー
今年から事前申込制となった「図書室・資料室ツアー」には、予想を上回るたくさんのご応募をいただき、抽選でのご案内となりました。ご参加いただけなかったみなさまには心苦しい限りですが、ぜひ次回もご応募いただければと思います。

幸運にもご参加いただけたみなさまには、国立国語研究所の教授による解説を聞きながら、貴重な資料やデータをご覧いただきました。ミニツアーながら、どの方も熱心に見学され、楽しんでいただけた様子でした。ツアーの最後には、なんと「言語地図」のお土産が! 嬉しいサプライズとなったでしょうか。

参加者の声(当日アンケートの自由記述欄より)
※ 一部、表記等の修正や省略を行っています。
- 解説つきの「図書室・資料室ツアー」がとても興味深かったです。貴重な資料の実物を見て、その解説を聞くことで、ニホンゴの歴史、研究の歴史に思いをはせるひとときを過ごすことができました。有意義な時間をありがとうございました!!
- 初めて見学参加しました。方言の全国マップを大変興味深く見ました。
- ツアーがたのしかったです。もう少し時間が長い方が嬉しいです。ツアーの最後のお土産がうれしかったです。家でゆっくりみたいと思います。
ことばのミニ講義・研究者トーク
ことばのミニ講義「多摩のことば・立川のことば」
講師 : 三井はるみ(國學院大學教授)
「立川にも方言ってあるの?」と不思議に思いながら参加された方も多かったようです。よく耳にすることばが実は多摩の方言であることを知って驚いたり、昔よく使われていた方言を思い出したりと、身近にある方言の面白さに気づいたという声がたくさん寄せられました。

参加者の声
- 私は13年生まれの立川生まれなので、立川言葉は懐かしく面白かった。きしゃご、ぬくい、ひゃっこい、かがみっちょ、コゾ等忘れていた当時に思いを馳せた。
- 父が立川、国立で産まれそだったので、ミニ講義で父が使っている言葉と同じものが出てきて、これが方言なのだと知れて楽しかったです。
YouTubeで動画を公開中!
- 国立国語研究所YouTube公式チャンネル「ことばのミニ講義「多摩のことば・立川のことば」/ニホンゴ探検2025」」
研究者トーク「雑誌コラムに見る昭和20・30年代の言語生活」
講師 : 新野直哉(国立国語研究所准教授)
月刊誌『文藝春秋』のコラム欄から、昭和20・30年代当時の言語生活の一端がうかがえる記述を抜粋し、その背景と解説が語られました。時に「新時代語」ともてはやされ、時に「言葉の乱れ」と攻撃される、こうした言葉に対する人々の揺れ動く意識は、今も昔も変わらないようです。

参加者の声
- 時代その時代と流行した言葉。過ぎてみればたくさんあって懐かしく思い、今日はとても楽しく過ごせました。また来たいです。「ことば」の力って、すごいですね。
- 雑誌コラムから見る言葉のお話もとても興味深く、聞きにこられてよかったと思いました。
YouTubeで動画を公開中!
- 国立国語研究所YouTube公式チャンネル「研究者トーク「雑誌コラムに見る昭和20・30年代の言語生活」/ニホンゴ探検2025」
にほんご★クイズラリー
今年は建物1階をぐるっと回れる動線に変更し、じっくりポスターを見たり解説を聞いたりしながら、各ポイントを移動できるように工夫しました。当日はどのクイズコーナーも大盛況で、ご参加くださったみなさまには、どうやら「推し」の先生ができたようです。


終助詞を中心に、日本語の文末表現のはたらきについて紹介しました。どんな時に、どんな人が、どんな文末表現を使うでしょうか?

「気」と「心」、よく似たことばですが、意味や使われ方に違いはあるでしょうか? 日本語以外の様々な表現も紹介しながら一緒に考えてみました。

いくつもの語をまとめると句になり、いくつもの句をまとめることで文になります。一つの文に複数のまとめ方があるとき、意味も複数生じること(構造的曖昧性)をクイズのテーマにしました。

私たちはことば(行為)を投げる、受け取る、この繰り返しによって会話というものをつくっています。会話のしくみを一緒に考えてみました。

鹿児島県沖永良部島のことば(しまむに)のプチ教室です。しまむにであいさつと自己紹介にチャレンジしてもらいました。

コロナ禍、不要不急、クラスター等々……。当時のコロナ関連用語に対して人々がどう思っているか、調査結果を示しつつ紹介しました。
参加者の声
- にほんごクイズラリーは、スタッフの皆さんの説明がおもしろく、展示されている説明資料にも工夫と熱意が伝わり、楽しく参加できました。
- 興味深い展示が多く、時間が足らないくらいだった。特にクイズラリーは研究員の方のお話が聞けて、普段気にとめていなかった事に気付けたのが良かった。全員のお話が聞けず残念だった。(休憩の時間に当たってしまった。)
- 「気は心」という、今はあまり使わないと思われる言葉が取り上げられていて良かった。日本人の気遣いを表す、後々にも残したい言い方だと思う。
- にほんご☆スタンプラリースタッフ岡田さんの大ファンになりました。とても面白かったです。ぜひ、来年も参加したいです。
- 今回が初めてで、家族と来ました。一番楽しかったのは、展示コーナーの〝ことばのキャッチボール〟でした。言葉をボールでとらえているのが面白い視点だと思いました。
- しまむにの解説が面白かった。しまむにとヤマトグチの両方で説明するのは良い方法だと思う!
ワークショップ
辞書引きコーナー






参加者の声
- 辞書引きコーナーのかるたが楽しかった。また作りたいです。
- 辞書の語釈を考えるというのも、辞書ごとの違い比較も含め楽しかったです。
- 辞書引きでしりとりをしました。できあがったものを「わ~!よくみつけたね!おもしろいね」と一つ一つかくにんしながらほめてくれてよかった。
- 辞書引きコーナーで参加したクロスワイルドというゲームがとても楽しかったです!! 2チームが対戦するだけでなく、協力し合って高得点を目指すという点がまたおもしろく、もりあがりました。小学3年生の息子も楽しんでいたので、小学校の授業で取り入れても楽しめそうだなと思いました。
みんなで投票企画
恒例の「みんなで投票企画」では、「ショックを受けた時のことば」をテーマにことばの使用状況を調査しました。来場者のみなさまに年代別の色シールを貼っていただくことで、世代ごとのことばの違いが見えてくる面白い展示です。気になる結果は、下の画像をクリックしてご覧ください!(PDFが開きます。)
琉球ことばの旅



参加者の声
- 今回は琉球ことばの展示が充実しておりました。アイヌ言葉の展示や琉球、和語、アイヌの言語の差(文法や単語など)も体系的に見てみたいです。
- 三線での演奏と一緒に踊ったりと楽しませていただきました。
- なんとなく日本語に興味があるなと思っていたけど、今回のイベントで日本語は日本語でも、方言や島言葉から外国語との関連性を知るのが好きだと気づけた。
さわってわかる!はじめての点字体験


参加者の声
- 点字はしっているけれど、はじめてうってみてたのしかった。
- 点字打ちのコーナーも、初めてきかいをみて、おどろきました。大変なことをやっているのがよくわかりました。
- 点字・手話も日本のことばとして認識されていることが、皆さんにとっては当然のことだろうけど、とてもうれしく思った。
使える!「コーパス」



参加者の声
- コーパスのコーナーで、web茶まめの使い方を説明してもらいました。かなりの精度で単語の分析ができることにおどろきました。
- コーパスを常用できるようになると、言語生活が豊かになると思った。
- コーパスの説明を丁寧にしていただいたのも有難かったです。特に専門的なことを知っているわけではないのですが、例として見せていただいたものがとても面白く、興味深いものでした。
れきみんワークショップ



参加者の声
- 「うけたまわってそうろう」というのがむずかしいけどおもしろかった。
- 古文書を作る体験が興味深かった。
- 立川氏と鎌倉幕府のつながりを示す資料がたくさん残っていると知った。れきみんでもまた立川氏特集の展示をやってほしいです。
展示コーナー・その他
ことばの展示

参加者の声
- “ことばの疑問”コーナーについて、日常過ぎてあまり疑問に感じない事について、改めて考えると面白く楽しい発見があった。
展示「海を渡った日本映画 戦前のハワイで上映された日本作品」

参加者の声
- ハワイで上映された映画の展示コーナーが興味深かった。ごく短いものでもよいので、実際の映像上映コーナーがあってもよかったかも。
読書コーナー

参加者の声
- 読書コーナーに子どもが集まって楽しそうによんでいました。
- 知らない事がいっぱい&読みたい本、辞典など、読んで読んで読み倒したいぐらい楽しかったです。
総合研究大学院大学日本語言語科学コース紹介・相談コーナー

参加者の声
- 大学院の説明会では、先生や在学生の方々から、直接お話を伺うことができてよかった。貴重なお話や、研究の方向性について助言いただくことができ、今後の進路や研究者としての方向づけを得ることができた。
- 博士課程についてご説明頂き誠に有難うございました。自分の研究開発に役立てます。「中納言」や話し言葉のコーパスも参考になりました。
その他
参加者の声
- 初めて参加しましたが、普段使っている言葉も、このような深い洞察ができるのだなと面白かったです。近くにこのような組織があるのを初めて知りました。また参加したいです。
- 〝研究所〟に行くときいて、もっとものものしいふんいきを想像していた! 白衣をきてる、実験をしてる人が研究所にいるんだと思ってた!(6さい)
- 近隣住民です。このような機会があってありがたいです。子ども向け(行かないと言われました…)だったのかもしれませんが、大人夫婦でも楽しかったです。来年以降も続けてほしいです。

関連サイト・関連動画
- ニホンゴ探検2025特設サイト
- 国立国語研究所YouTube公式チャンネル「ことばのミニ講義「多摩のことば・立川のことば」/ニホンゴ探検2025」」
- 国立国語研究所YouTube公式チャンネル「研究者トーク「雑誌コラムに見る昭和20・30年代の言語生活」/ニホンゴ探検2025」
